アクトMTメルマガ123号:令和を楽しむ <第1回役員会 その2>

一夫は、会社を定年退職してから、何をするでもなく過ごす毎日が続いていました。ちょうどマンションの自治会の役員の番が神崎家に回ってきたので、一夫が役員会に出ることを決断しました。自分としては自信をもって決めましたが、これまで近所付き合いのなかった一夫に、妻の良子は少し心配です。そして、第1回目の役員会が開催されました。


*** アクトMTメルマガ123号 ****

我々、昭和世代は、激動の中に育ち、平成を必死に働いてきた。
そして今、令和は、自分のために、自分自身の人生を楽しむ時代だ。

■令和を楽しむ <第1回役員会 その2>

今年度1回目の役員会には、一夫を含めて5人が出席した。役員の定員は5名。任期は2年で、毎年2名又は3名が改選される。今年は3名が改選された。改選といっても、マンションのフロアごとに順番にその役がまわってくるのだ。

留任した役員は、次の2人だ。

黒田正彦 78歳
妻との2人暮らし。旅行好きで、毎月のように旅行に行っている。人のよさそうな好老人という雰囲気を持っている。しかし、年齢がそうさせるのか、否定的な意見が多い。一夫は自分の中で『黒田長老』と呼んでいる。

春日法子 47歳
夫と娘、息子の4人家族。はっきりと、それもスジ論で話をする。一夫が最も苦手とするタイプの女性である。あの「会長さん!聞いているんですか?」と、一夫に迫った『春日の奥様』だ。

一方、新任の役員3名は、一夫と次の2人だ。

川上光義 35歳
結婚したばかりの妻と2人暮らし。家電の販売会社に勤めている。まだ、子供はいないが、やさしいパパという話しぶりで、一夫は少し頼りなく感じている。『川上パパ』である。

木村沙織 43歳
独身。IT関連の企業で総務、人事の仕事をしている。自分の意見をはっきりと言う方ではない。春日の奥様と年齢が近いこともあり、「そうですよね。」と言って、すぐに春日の奥様に同調する。一夫にとっては、春日の奥様と並んで苦手な印象を与えている。『沙織ちゃん』だ。

第1回目の役員会の大きな課題は、役員同士の顔合わせと、今年度の会長を決めることだった。お互いに簡単に自己紹介を済ませてから、いよいよ会長を誰にするかという話になった。

しかし、誰も発言せず、時間が過ぎた。わずかな時間だが、一夫はこんな時間が、我慢できない。

たまらず、一夫が口火を切った。「黒田さんは2年目で経験もあるし、いかがですか?」と、黒田長老を推薦した。しかし、黒田は、「私は、もう年なので、会長の役は無理です。2年目ということなら春日さんにお願いしたい。」と、春日の奥様を推した。

すると、春日の奥様が「会長さんは、やはり男性がやるべきだと思います。黒田さんがダメなら、歳の順で神崎さんにお願いしたいと思いますが、どうですか。」と、一夫に振ってきた。

一夫は、会長を引き受けるつもりだったが、即座に「引き受けます」とは言わなかった。

** 次回に続く **

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