アクトMTメルマガ144号:令和を楽しむ<夏祭りの盛り上げ案(その2)>

マンションの自治会で開催する夏祭りの盛り上げ案について、役員会で検討が行われました。一夫は、前回の役員会で「会長さん聴いているんですか?」と言われた反省から、発言者の方に体を向け、うなづきと相槌を心掛けています。

*** アクトMTメルマガ144号 ****

我々、昭和世代は、激動の中に育ち、平成を必死に働いてきた。
そして今、令和は、自分のために、自分自身の人生を楽しむ時代だ。

■令和を楽しむ <夏祭りの盛り上げ案(その2)>

それまで黙って聞いていた沙織ちゃんが、自分が考えてきた盛り上げ案を提案した。

「バーベキューって、どうでしょう。」

「エッ?バーベキューですか?」

予想外の提案に、思わず一夫が繰り返した。

「エ~。バーベキューです。」

沙織ちゃんが続けた。

「普段、バーベキューなんかできない人がいると思うんです。だいたい、このマンションでは、バーベキューは、禁止だと思うんですよね。そこで、この日だけは、だれでも、バーベキューができるようにしてはどうでしょう。」

すると、黒田長老が言った。

「家族の人はいいけど、年寄りや一人住まいの人は、難しいんじゃないですか?」

これに対して、川上パパが嬉しそうにニコニコしながらいった。

「私は、バーベキューは、いいと思います。お年寄りなどのためには、材料などを準備してあげてはどうでしょうか。」

「そうですね。バーベキューも楽しそうですね。ポスターを作って、事前に申し込んでもらうべきですね。」

春日の奥様がこのようにいうと、黒田長老がいった。

「良いポスターが作れればいいけどね」

すると、春日の奥様が、黒田長老の話を無視するように一夫の方を見て言った。

「ところで、会長さんの盛り上げ案は、何ですか?」

一夫は、『待ってました』という気持ちを抑えながら答えた。

「私は、カラオケ大会を提案します。」

すると、春日の奥様が言った。

「カラオケもいいけど、マイクやカラオケ装置はどうするんですか?ステージとか、司会者なんかも必要ですよね。」

一夫が答えた。

「そこらへんは、このマンションでカラオケグループを作っている方々がいるので、お願いしようと思います。」

「あ~。このマンションでカラオケやっている人たちがいますね。私の友達も入っています。でも、任せきりにすると、何かあったときなど問題ですよ。」

黒田長老が言った。

実は、このカラオケグループの話は、妻の良子が進めたのだった。良子の主婦仲間の一人がこのカラオケグループのメンバで、そのつながりで協力を取り付けたのだった。

こんな話がしばらく続いた後、それぞれの担当を決めてこの日の役員会は解散した。それぞれの準備については、担当者に任せられた。

花火大会は、子供向けの小さな花火で、川上パパの担当になった。バーベキューは、春日の奥様と沙織ちゃんが担当だ。すでに沙織ちゃんがバーベキューの機材や食材を準備をしてくれるイベント会社を調べてあった。またPR用のポスターは、春日の奥様のご主人ができるということで、頼むことになった。飲み物は、黒田長老が担当し、一夫が担当する焼きそばと一緒に売ることになった。もちろん、カラオケ大会をカラオケグループに頼むことと、会場として自治会室を確保することは、一夫に任せられた。

こうして、夏祭りの出し物が決まり、役員会が終わった。一夫は具体的な出し物が決まりホッとした。しかし、家に戻るころには、また一夫の中には不安がいっぱいになった。人が集まるか。トラブルなくやり遂げられるか。考えれば考えるほど、心配になってきた。

ところで、一夫は今日の役員会は活発な議論ができたような印象を持っていた。その理由は、一夫が必死にうなずきと、相槌をしていた効果だったといえるのだろう。少なくとも目をつぶったまま聴いていることはなかった。

次回に続く。

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